関東私鉄しりとり&サイコロの旅  第14回 


 年末に酷い風邪を引いて(ついでに周囲にばら撒いた)、散々な年明けとなった2013年。1月9日にようやく初詣を済ませて深夜に帰宅。にもかかわらず翌1月10日(木)、新年1回目のしりとりに出かける。まず目指すのは東武野田線。同じ千葉県内だけどあまり馴染みの無いエリアだ。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
船橋 → 柏 東武野田線 普通 10:07 10:37
柏 → 運河 東武野田線 普通 大宮 10:43 10:56


 東武百貨店船橋店のオープン待ちの列を横目に階段を上る。野田線は相変わらず抵抗車8000系の天下で、エアブレーキの緩解音といい警笛(空気笛のみ)といい何もかもが昭和っぽい。発車メロディだけが無闇にきらびやかだ。ごく平凡な近郊路線だが、六実からは単線になる。次の高柳の先には小さめの車庫があるが、船橋口の終電は六実止まりだったはずで、なぜ高柳まで運転しないのかと首をかしげる。

 逆井で複線に戻ると車窓は都会じみてきて、第7回で訪れた増尾で立客が出る。柏で隣のホームの大宮行に乗り継ぐと、プラットホーム事故0運動のPR放送が流れる。この冬関東一円どこでも耳にするフレーズだが、東武は「国土交通省と連携し〜」といささか仰々しい。お上の権威に頼るのがこの会社の社風なのだろうか。柏から4つ目が運河である。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう →
58駅目
運河    (東武鉄道野田線 / TD19 / 千葉県流山市)
運河駅舎 運河駅名標 運河


 橋上駅舎新築の真っ最中で、ホームには鉄骨が林立し狭い事この上ない。現駅舎は平屋建てで駅というよりは民家のような佇まいをしている。タクシーがぽつんと止まった小さな駅前広場を隔てて田舎県道然とした道に面しており、ローカル駅の色合いが濃い。その割には行き交う人の年齢層は若く、駅前には東京チカラめしが出店している。町は古いが人が若いのだ。

 このミスマッチの原因は東京理科大学で、駅のすぐ裏手に広大なキャンパスを構えている。駅と大学の間を流れる細い通路が、なんとも大雑把な駅名の由来となった利根運河。完全には一致しないがほぼ流山・野田両市の境界線となっている。つまりこの駅、利用者の大半は隣町への用務者という格好になる。大学をのぞいてみると、学食は築浅らしくピカピカだが、窓には「13年4月葛飾区にキャンパス開設」の文字が。少子化にもかかわらずの拡大路線なのか、少子化ゆえの都心回帰なのか。

 理科大のさらに裏には新興宗教の施設があって、こちらも大学に負けず劣らず大規模である。門前には宗教道具と中華そばを一緒に売るなんとも雑多な店が一軒。白装束の信徒が交通整理をしている脇を、次々と人がすり抜け一礼して奥へと吸い込まれていく。


59駅目の選択
駅名 会社 路線
梶が谷 東急 田園都市線
春日部 東武 伊勢崎線他
霞ヶ関 東武 東上本線
花月園前 京急 本線
合戦場 東武 日光線
神奈川 京急 本線


 圧倒的に近いのは野田線1本で行ける2。やや遠いがここで5を消化しておくのも一案だ。「わ」終わりを含むとは言え神奈川県が3つもあり、あまり嬉しい顔ぶれではない。


サイコロ2  → 2 春日部


 なんとなんと、大当たりの2。これはありがたい。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
運河 → 春日部 東武野田線 普通 大宮 11:56 12:25


 東京圏もこの辺りが外縁らしい。清水公園付近は一部開発が進む区画もあるものの、雑木林と瓦屋根の古い民家が多く目に付きローカルな雰囲気だ。電車のブ レーキの掛かり具合までのんびりしていて、ゆるゆると減速していく。途中で運転士が変わっても同様だったから、そういう路線なのだろう。

 にわかにマンション群を望むようになってくると、スカイツリーラインを跨いで春日部駅に向かって下りこんでいく。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが →
59駅目
春日部  すか
(東武鉄道伊勢崎線・野田線 / TS27・TD19 / 埼玉県春日部市
春日部駅舎 春日部駅名標 春日部


 野田線側の西口へ出ると、ちんまりとした駅舎とは対照的に、ロータリーが大風呂敷を広げている。ラーメン屋の呼び声なども流れてきて、のんびりした空気だ。2路線が離合する上に貨物輸送が盛んだった東武だから、駅構内はやたらに広く、街は分断されている。当然の帰結として駅前には「高架化期成同盟会」なる団体の看板が立派な完成イラストを添えて立っているが、工事の気配はまるでなく、どうも構想どまりらしい。

 飲み屋の脇をすり抜けると東口への長い地下道が現れる。コンクリの壁に描かれたイラストは、どうも南桜井と同じ人の手によるような気がする。階段を上った先の電柱に標記された地名は「粕壁東」、読みは同じだが字は違う。こっちの方が由来は想像できそうだし、何より土の匂いがする。だからこそ市名の表記は違うのかもしれないが。

 こちらが表側かと期待してやって来た東口だが、駅舎は西口同様小さく、西口より古い。駅ビルもある事はあるが小さめで、駅前のだだっ広さも西口と同様である。どちらがメインかちょっと分からなくなって来た。目抜き通りを進んでみても人は少ない。ターミナル駅だし特急スペーシアも停まるし、スカイツリーライン屈指の主要な街だと思っていたのだが、どうやら知名度に比べると街自体は小さいようだ。


60駅目の選択
駅名 会社 路線






平和島 京急 本線


 「へ」は通算2度目、選択の余地は無く平和島直行である。1度目と同じく春日部市から京急沿線への移動だが、前回ほどの距離ではない。

 これで「へ」は出尽くしたから、次に「へ」終わりが当たれば逸見か平和島のどちらかに行って終了となる。でも「へ」終わりって他にあったかなあ…。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
春日部 → 押上 東武スカイツリーライン 急行 中央林間 12:49 13:28
押上 → 品川 都営浅草線 エアポート
快特
羽田空港 13:38 13:58
京急本線
品川 → 平和島 京急本線 普通 浦賀 14:09 14:21


 10両編成の急行は程よく空いていて、走りも快調。気持ちよくウトウトする。北千住で半分弱のお客がごっそり降りて、押上で下車。浅草線の改札を入ると、喫茶店の「本日のオススメメニュー」の如く、可愛らしい黒板が鎮座して手書き文字でエスカレーターの場所が示してある。改札脇の狭い階段にばかり人が集中して、裏手のエスカレーター・エレベーターの存在に誰も気付かない困った構造の駅だが、駅員もあの手この手を考えているらしい。

 やって来たのは最速達のエアポート快特で、こいつはラッキーと喜んだものの、停車するたびに通過駅の案内が繰り返されて煩わしい事この上なかった。しかも品川で普通車を待つ間に、押上で抜いた快特がやって来てしまう。意味が無い。やっと来た普通車に乗り込むと、4つ目の鮫洲で次の快特の通過を待つ。昨年10月のダイヤ改正まではエアポート急行だったスジで、急行なら平和島に止まるのだがどうしようもない。天王洲、品川シーサイドの高層ビル、八潮の団地、羽田に離着陸する航空機を眺めながら、普通車はのんびり進んでいく。ようやく平和島に着くと、またしても快特通過待ちで、この先まで乗る人が可哀想になってきた。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ →
60駅目
平和島    いわじ  (京浜急行電鉄本線 / KK08 / 東京県大田区)
平和島駅舎 平和島駅名標 平和島


 2面4線の待避可能駅でホームは広々としているが、京急お得意の直上高架方式で施工された駅のため、敷地の両側には間隔をおかず建物がこまごま建ち並んでいる。真新しいのは線路直下の京急ストアだけで、他の商店は高架前、それどころか終戦直後のバラック・マーケットから変わっていないかのような印象さえ受ける。

 東南側には国道15号と環7の交差点があり、騒がしい事この上ない。15号を渡って細い路地を抜けると商店街にぶつかるが、この筋が天下の旧東海道である。街道らしい和菓子屋に侘しい雰囲気を漂わす八百屋、意味不明のグッズショップ。古さと新しさと勘違いが同居した、ちょっと面白い顔ぶれである。街角には「1年生になったら」のインストが淡々と流れていた。


61駅目の選択
駅名 会社 路線
馬込沢 東武 野田線
松原団地 東武 伊勢崎線
京成幕張本郷 京成 千葉線
町田 小田急 小田原線


 「ま」は残り4駅。全て南関東で今からでも余裕を持っていける場所ばかりだから悪い顔ぶれではない。もちろんベストは「わ」終わりの1だ。千葉県の1か3なら今日の最終訪問地、2・4なら次の目次第でもう1駅、という所だろうか。一投目は5が出たので、振り直し。


サイコロ2  → 2 松原団地


 距離はまずまず。ただ、またスカイツリーラインを戻るのかと思うと少々やりきれない。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
平和島 → 品川 京急本線 普通 品川 14:47 15:00
品川 → 泉岳寺 京急本線 快特 泉岳寺 15:02 15:04
泉岳寺 → 押上 都営浅草線 快速 佐倉 15:05 15:27
押上 → 草加 東武スカイツリーライン 急行 南栗橋 15:35 15:56
草加 → 松原団地 東武スカイツリーライン 普通 北越谷 15:59 16:00


 接近放送に続いて駅構内に流れたのは、「いい湯だな」。平和島に温泉が湧いているとは聞いたことが無いし、ドリフと縁があるという話も知らない。謎の選曲てある。

 再び普通車でタラタラと戻り、品川でようやく快特に乗り継ぐ。ご自慢の2100形が来るはずのスジだが、やって来たのは新1000形トップナンバー編成。げんなりだが、どうせ次の泉岳寺止まりだから3扉車でかえって良かったのかもしれない。

 浅草線でまたしてもグッスリ寝て、スカイツリーラインで地上へ。すでに夕日が車内に差し込み、焦りばかりが募りだす。神経を逆撫でするかのごとく、急行は鐘ヶ淵構内を最徐行で通過していく。西新井に到着すると、「草加での各駅停車への接続はありません」と放送が流れる。草加で並ぶはずの普通が遅れていて、西新井手前で追い抜いてしまったらしい。急行は草加で遅れの普通を待たず、さっさと出てしまった。なかなかに臨機応変な対応である。複々線なればこその柔軟策で、遅延に強い路線だと感心する。2分程度の遅れなのに、駅の発車案内にはご丁寧にも遅れの情報がスクロールされていた。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま →
61駅目
松原団地    つばらだん  (東武鉄道伊勢崎線 / TS17  / 埼玉県草加市)
松原団地駅舎 松原団地駅名標 松原団地


 草加〜越谷間複々線化の際に作り直された駅だからさほど古いはずは無いのだが、リニューアル工事の真っ最中で仮囲いに覆われている。線路を境に街の雰囲気は大きく異なっていて、西口側には真新しい高層マンションや中央図書館が建ち並び、落ち着いた佇まいを見せている。一方の東口側は駅前にパチンコ店や居酒屋がひしめき、商店街にはずいぶん年季の入った建物も目に付く。立ち並ぶ商店、また銀行さえも小ぶりで、手堅くまとめられた「ニュータウン」という感がある。

 それにしても、東口メインストリートのネーミングはまったくもってよく分からない。「パインアベニュー」って何だろう。


62駅目の選択
駅名 会社 路線
京成千葉 京成 千葉線
千葉中央 京成 千葉線他
千葉ニュータウン中央 京成 成田空港線
長後 小田急 江ノ島線
調布 京王 京王線
ちはら台 京成 千原線


 どうしてこうなった。京成、しかも千葉方面が4つ揃う実に偏った顔ぶれになってしまった。もっとも、時間帯を考えれば今から西に向かうよりも千葉で上がるほうがずっと効率的だ。運がいい、という事でいいのだろう。一番帰り易いのは1、隣駅の2でもほぼ同等だ。


サイコロ2 → 2 千葉中央


 上々の結果。さくっと寄って帰るとしよう。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
松原団地 → 新越谷 東武スカイツリーライン 普通 北越谷 16:19 16:24
南越谷 → 西船橋 JR武蔵野線 快速 東京 16:30 17:03
西船橋 → 幕張本郷 JR総武線 各駅停車 千葉 17:05 17:18
京成幕張本郷 → 千葉中央 京成千葉線 普通 ちはら台 17:25 17:40


 日は着実に落ちていく。冴えわたる夕空に、筑波山がくっきりと映えている。武蔵野線は荒涼とした風景の中を高速で駆け抜けるが、越谷レイクタウン、新三郷と駅に差し掛かると突然大規模なSCが姿を現す。なんとも日本離れした車窓である。空いていた電車に新松戸でどっとお客が乗り込むが、一駅また一駅と再び車内は寂しくなっていく。

 総武線経由で京成に乗り継ぐと、4両編成に綺麗に収まる程度の混み具合である。適正といえば適正だが、JRとの輸送量の差は如何ともしがたい。千葉で乗客はごっそり入れ替わり、立客パラパラ程度の混み具合となって千葉中央に到着する。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち →
62駅目
千葉中央    ばちゅうお
(京成電鉄千葉線・千原線 / KS60 / 千葉県千葉市中央区)
千葉中央駅舎 千葉中央駅名標 千葉中央


 「千葉」を名乗る駅はやたらに多く、京成だけでもこの辺り新千葉から千葉寺まで4駅連続している。JRとモノレールを含めればその数はさらに膨らむが、「中央」を名乗るのはここだけ。政令指定都市・千葉市のど真ん中に堂々と立地する駅…では実のところ全く無い。確かに県庁へは千葉駅より近く、その意味では中央なのだが、周囲は繁華街とは言い難い。居酒屋をメインテナントにする雑居ビルやカラオケ店、風俗店が目に付くばかりで、むしろ裏町の雰囲気を漂わせている。これで活気があれば猥雑ながらも中心部らしいのだが、人通りもまばらだ。

 かつて京成千葉線は町の中心部に乗り入れていたのだが、戦後の都市計画でこの場所へ押しやられてしまった。「中央」の2文字には、京成の意地と怨念が感じられる。周囲で一番立派なのは他ならぬ京成の駅舎で、映画館に専門店、系列ホテルまで取りそろえた複合高層ビルがその威容を誇っている。エントランスのきらびやかさは間違いなく京成随一だ。ところが改札まで来ると、高架下に長く伸びるモールはずいぶん庶民的な雰囲気になり、ホームに上がると華やいだ空気は完全に霧散してしまう。対向式のホームの屋根は武骨で実用本位、ベンチは木製、そして電車は赤電最終世代の3300形や種別板が残る3500形。21世紀から昭和へタイムトンネルをくぐってきたかのような、物凄い落差である。


63駅目の選択
駅名 会社 路線
梅郷 東武 野田線
梅島 東武 伊勢崎線
梅屋敷 京急 本線
牛田 東武 伊勢崎線
梅ヶ丘 小田急 小田原線
浦賀 京急 本線


 今日中に立ち寄れるほど手近な駅はなく、終了確定。次回も今回同様「う」からのスタートとなった。圧倒的に便利なのは京成関屋に隣接した4。2も十分当たりだ。南関東とはいえ、6でいきなり三浦半島は回避したいところ。


サイコロ2 → 2 梅島


 まてまてまて、今日は全部2じゃないか。どうした、電子サイコロ!



利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
千葉中央 → 津田沼 京成千葉線 普通 津田沼 18:05 18:23


 帰りの電車は千葉中央始発。発車を待つ間、向かいのJR内房線をコンテナ列車が通過していく。千葉で多くの乗車があり、幕張本郷ではさらに混んだが、途中駅で降りた人はほとんど居なかった。津田沼までの乗り通しの需要が大半であるらしかった。


(つづく)

2014.4.15
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