関東私鉄しりとり&サイコロの旅  第15回 


 前回から2か月開いた2013年3月21日(木)、出発は遅めで京成関屋に辿り着く頃にはお昼になってしまった。やる気が失せたわけではないのだが、それにしてもちょっとタルミ気味で頂けない。ともあれこの企画もはや15回、今日あたり節目を迎えそうな気がしている。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
牛田 → 梅島 東武スカイツリーライン 普通 竹ノ塚 12:27 12:42


 しょっちゅう使っている感のある関屋→牛田乗換だが、ちょっと間があった隙に牛田駅の看板が新サインに取り換えられている。ダイヤも5日前に改正されて、普通列車と区間準急の交互運転からオール普通に変わっている。今度の電車は竹ノ塚行で、梅島へは乗換えなしだから新ダイヤの方が便利だなと思っていると、次の北千住で7分も時間調整が入った。調べてみると到着1分後に日比谷線からの普通が先発するが、1階から3階ホームへ1分で駆け上がるのはさすがに厳しい。

 なんとも中途半端な竹ノ塚行はのんびりとした走りで荒川橋梁に差し掛かる。半蔵門線直通車に加え、特急「ひたち」やメトロ6000系が行きかい、なかなかに賑やかだ。梅島は橋を渡って3つ目、すぐである。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう →
63駅目
梅島   めじ   (東武鉄道伊勢崎線 / TS12 / 東京都足立区)
梅島駅舎 梅島駅名標 梅島


 伊勢崎線、もといスカイツリーラインの複々線は内側が緩行線で、優等通過駅は上下線の間に島式ホームが設けられている。梅島は余程スペースがなかったらしく、幅が狭い代わりに上下線がずれて停車している。下り電車に乗っていると、上りホームを8両分まるまる通過してから停車する格好だ。乗り場は分かれているけど、エスカレーター等の設備は上下で供用できるから効率的である。

 この辺りの小駅は沿線住民でもない限り大同小異な印象しかないが、降り立ってみると案外人通りが激しい。駅前には「新宿さぼてん」や「北欧」等、ローカル駅には無さそうな物件が建ち並んでいる。足立区役所最寄り駅でもあり、昔から栄えた土地だったのだとの印象を受ける。

 一方ちょっと裏手に入ると、道はぐっと狭まりアヤシゲな外観のスナックが姿を現す。奥へ進めば路地は複雑に折れ曲がり、民家の軒先に形の良い梅の木がしつらえてあった。桜は五分咲きと言ったところか。

 表通りに戻って、やけに客の入りが良い担々麺屋で昼食。梅島の名を聞けばしばらくはここを連想しそうな、上出来の味であった。なお現地の住居表示は「梅田」で、駅名と微妙に違うが理由はよく分からない。


64駅目の選択
駅名 会社 路線


馬込沢 東武 野田線


京成幕張本郷 京成 千葉線


町田 小田急 小田原線


 ここの所よく出ている感のある「ま」は残り3駅。千葉へ戻る2駅と同じ都内とは言え東端から西端への大移動となる町田。正直あまり楽しい顔ぶれではない。

 ベストは勿論「わ」終わりの馬込沢だが、前回サイコロの目が全部2になる珍現象が発生しており、また2が出てしまうと相当考え物だ。


サイコロ3  → 3 京成幕張本郷


 2以外が出て、電子サイコロがちゃんと動いている事は分かった。それで良しとしようか。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
梅島 → 北千住 東武スカイツリーライン 普通 中目黒 13:18 13:24
北千住 →牛田 東武スカイツリーライン 普通 浅草 13:34 13:36
関屋 → 高砂 京成本線 普通 うすい 13:39 13:47
高砂 → 津田沼 京成本線 特急 成田空港 13:52 14:09
津田沼 → 幕張本郷 京成千葉線 普通 ちはら台 14:05 14:07


 前述の通りホームの構造が特殊で、改札から上りホームまでは微妙に遠い。しかも朝は一番手前が女性専用車だからさらに1両分歩かねばならない。やって来たのは日比谷線直通の5ドア車で、昼下がりの割りには随分混んでいる。荒川を渡ると「まもなく北千住です」とアナウンス。えっ、それだけ?膨大であるはずの乗換案内はばっさり省略されてしまった。浅草方面の普通列車は10分待ちで、往路より酷かった。

 青砥の高架線から意外にお寺さんが集中している街並みや屋根に林立する室外機の群れを眺め、地平に降りると高砂で乗り換え。3400形の特急と600系のアクセス特急が同時に入ってきて、「2つの経路に分かれます」と駅が苦しいアナウンスをしている。発車すると室内灯が消えた。節電対策もすっかり廃れてしまった感のある昨今だが、律儀である。沿線は形の良い松を擁した邸宅もあり密かに高級感を醸し出しているのだが、菅野付近で広大な空き地を晒す外環道工事が雰囲気を台無しにしている。車内にはスーツケースが7個も転がっていて、空港特急の面目を保っている。

 津田沼で乗り継いだちはら台行は3668編成。2両×3本組成のレア車だが、中間運転台は使用停止して久しく、ホコリが盛大に溜まっている。相変わらずの高加速だが、幕張本郷は次の駅で堪能しつくす暇もなかった。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま →
64駅目
京成幕張本郷   けいせいくはりほんご
(京成電鉄千葉線 / KS53 / 千葉県千葉市花見川区)
幕張本郷駅舎 幕張本郷駅名標 幕張本郷


 幕張新都心への玄関口、と言えば海浜幕張駅なのだが、京葉線の不便さもあり幕張本郷からバスでアクセスする人もかなり多い。海浜幕張との間を結ぶバス路線は京成のドル箱で、バス乗り場には鉄道ホームにはまだ設置されていないLCD画面の発車案内装置が取り付けられている。広大な駅前広場には連接バスが2台も止まっているし、一般ボディのバスも他の駅で見る京成バスとは違う特別カラーだ。力の入れようがうかがえる。

 しかし駅前の街並み自体は新都心の賑わいとは無縁で、中規模なオフィスビルやマンションがぽつぽつ建つだけの寂しい光景だ。本郷自体の印象を決定づけるのは新都心でも千葉ロッテマリーンズでもなくJR幕張車両センターで、駅前にはバスに交じって「JR事業用品輸送」と書かれたトラックが止まっている。跨線橋をまたいで裏に回ると、房総半島の輸送を一手に支える車両基地を延々と見渡すことができる。国鉄型車両が老体に鞭打っていたのも今は昔、電車群の最大勢力は209系だ。

 幕張本郷は元々は総武線の単独駅で、京成駅は後から設置されている。両社の改札は隣り合っていて、乗換の便利さでは京成屈指の駅なのだが、なぜか駅名は「京成幕張本郷」と別仕立てになってしまっている。何度か触れたように京成では案内上は社名を省略するはずなのだが、ここの駅名標は社名入りである。一方、JR改札前の地図にはなんと「国鉄」の文字が残っていた。「昭和60年1月現在」とあるから相当な年代物で、当然の帰結として京成駅は記入されていない。乗降客数の割になんだか色々中途半端な駅である。


65駅目の選択
駅名 会社 路線
梅郷 東武 野田線
梅屋敷 京急 本線
牛田 東武 伊勢崎線
東武宇都宮 東武 宇都宮線
梅ヶ丘 小田急 小田原線
浦賀 京急 本線


 未乗降駅がかなり消化された分、馴染みの地名がだいぶ増えてきた。近いのは千葉県内の1だろうか。3も今来た道をまた戻るだけだがすぐである。絶対にマズいのは4で、ここを引き当てると辿り着く頃には日が暮れかねない。


サイコロ2  → 2 梅屋敷


 ちょっと遠いが23区内。合格である。それにしても、蒲田近辺の駅に随分足繁く通っている気がする。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
幕張本郷 → 津田沼 JR総武線 各駅停車
中野 14:43 14:46
津田沼 → 品川 JR総武線 快速 久里浜 14:51 15:32
JR横須賀線 普通
品川 → 梅屋敷 京急本線 普通 神奈川新町 15:38 15:57


 京成経由で向かってもいいのだが、今来た道を戻るだけ(しかも、自宅から梅島までのルートとも被る)なのも癪なので、総武線に乗る。津田沼で快速ホームへ移ると、「短い11両編成です」とアナウンス。10両編成すらない京成沿線民からすれば驚異的な表現である。津田沼で下車した各駅停車を下総中山で追い抜くものの、市川で特急待避があり再逆転。実にめまぐるしい。東京で乗客が入れ替わるが、ずっと混雑が続いていてさすがJRだ。

 品川乗り換えた京急普通車は銀1000の4連。全M車のハイパー編成で素晴らしい勢いで加速していくが、フラットも盛大に鳴り響いている。前回と同様に快特の通過待ちが繰り返され、「この先平和島でも待ち合わせがあります」との丁寧なアナウンスに向かいの夫婦がうんざりとした表情を浮かべた。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま → まくはりほんごう →
65駅目
梅屋敷   めやし  (京浜急行電鉄本線 / KK10 / 東京県大田区)
梅屋敷駅舎 梅屋敷駅名標 梅屋敷


 梅屋敷といえばダァ、もといドアカット。踏切に挟まれた短いホームに電車がはみ出して停まる風景は広く知られていた(タモリ倶楽部でも取り上げていたはず)が、それも今や昔話となった。昨秋に上下線とも高架線に移り、6両対応のホームはピカピカに輝いている。隣駅の京急蒲田は2面6線2層高架の大建築と化し、ホームを外れた辺りから上下線が縦方向に分かれていく。もっとも、駅施設の改良は完了しておらず、階段は途中から仮設に変わり改札口も上下別々である。地上線路の跡地にはまだ何もできておらず、高架下にぽっかりと口が開いた格好だ。

 駅の東側を第一京浜が並行し、西側には線路と直行して商店街がずっと伸びている。何度か見たことがあるこの界隈お決まりのパターンだが、梅屋敷の商店街はことのほか長い。どん詰まりに遮断機がチラリと見える。JRの上下4本をまたぐ踏切だ。ジャノメミシンの屋外販売や奥の方が真っ暗闇に沈んだ煎餅店など、どこかディープな物件も並ぶ中、隙間を埋めるように高額そうなマンションが点在していた。


66駅目の選択
駅名 会社 路線
北大宮 東武 野田線
北久里浜 京急 久里浜線
北越谷 東武 伊勢崎線
北坂戸 東武 東上本線
北野 京王 京王線他
菊名 東急 東横線


 北関東は1つも無く恵まれた顔ぶれだが、今日はスタートが遅かったので近距離で数を稼ぎたいところ。一番近いのは6、距離はあるが同じ京急の2辺りまでが許容範囲だろうか。埼玉とは言えかなり奥まった4は回避したい。3ならば、何度も繰り返した京急都内→スカイツリーラインルートをまた辿る事になる。


サイコロ6  → 6 菊名


 出た、最善の6だ。さくっと行って来よう。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
梅屋敷 → 京急川崎 京急本線 普通 浦賀 16:22 16:30
京急川崎 → 横浜 京急本線 快特 三崎口 16:33 16:40
横浜 → 菊名 東急東横線 各停 新宿三丁目 16:47 16:57


 梅屋敷の街中で「大田区総合体育館(鳥の巣)」という案内表示を見かけて、なんじゃこりゃと思っていたのだが、答えは間もなく京急の車窓に現れた。なるほど、鳥の巣だ。北京のオリンピックスタジアムのそっくりさんである。多摩川橋梁の上からは、港町のマンションが実によく目立った。

 京急川崎で新1000形アルミ車の快特に乗り換え。発車メロディは「上を向いて歩こう」だが、関連は良くわからない。モーターが唸りをあげ、あっという間に横浜が近づく。ランドマークタワーや横浜メディアタワー、日産本社といったかつてのホームグラウンド・みなとみらいのビル群が視界に入ると、いつもどこか懐かしい感覚にとらわれる。

 しかし当然ながら乗り換え先はMM線ではなく、逆方向の東横線である。副都心線との相互直通運転が始まってから東横線に乗るのは初めてだ。発車標を見上げれば先発電車は各停新宿三丁目行、次発は特急川越市行、その次は各停清瀬行。

 「…なんだこれ。」

 思わず呟きがもれてしまった。これまでは当たり前だった「渋谷」の文字はどこにも無い。

 やって来たのはメトロの7000系。向かい側の特急は10000系である。車内の路線図もカオスと化しており、なんだかエライ事になってしまった。もっとも、車窓だけは変わるはずも無く、馴染みの横浜郊外の風景が淡々と続いていく。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま → まくはりほんごう → うめやしき →
66駅目
菊名     (東京急行電鉄東横線 / TY16 / 神奈川県横浜市港北区)
菊名駅舎 菊名駅名標 菊名


 2面4線の緩急接続駅で、7000系同士が仲良く並んだ。下車客の流れは、駅の外よりもJR横浜線への乗換口の方へより太く向っている。だからと言って駅周囲が閑散としているわけではなく、改札正面の東急ストアはよく繁盛している風だ。東口へ降りる階段中央には細長い列が伸びており、先をたどると臨港バスの停留所ポールに行き着いた。駅前広場が無いどころか、道路は一方通行。バス待ちのスペースが無く構内に列を成すしかないのだ。道路は道路でタクシーが盛大に詰まっている。要するに、利用者数に比して駅前が著しく狭い。

 横浜都心にも東京にも近い菊名は住宅地として人気が高いようで、沿道には不動産屋が続々現れる。東神奈川方向にしばらく進んでJRのガードをくぐると、道幅が急に広がり雰囲気が一変した。昭和の雰囲気を残す家屋があり、八百屋があり、梅島では五分咲きだったソメイヨシノはまさに今満開である。ぽやんとした音を鳴らす東横線の踏切の脇にはイチョウの大木。線路の先にはロータリーが設置され、床屋の看板がくるくる回っている。この広場にも桜、枝分かれした坂道の先にも、桜。

 まさに息を呑む美しさである。


67駅目の選択
駅名 会社 路線
中河原 京王 京王線
京急長沢 京急 久里浜線
長沼 京王 京王線
中村橋 西武 池袋線
流山おおたかの森 東武 野田線
七光台 東武 野田線


 しりとりもとうとう67駅目。最初にルール説明で触れていた通り、ここから条件が追加される。これまでリストから除外していた「ん」「ら」「る」「れ」で終わる駅を加え、これらを選択した場合はそこをゴールとして本企画は終了となる。正直、この追加ルールでゴールの可能性は俄然高くなるのではと期待している。

 そんな67駅目の選択だが、いきなり1に「ら」終わりが来た。距離もそこそこ近く、1を出せば今日中に終了である。もっとも、ルール変更後1駅目でいきなり終わってしまうのでは、ちょっと甘すぎではという気もする。さて、どの目が出るか。


サイコロ3 → 3 長沼


 さすがにそんな出来た顛末にはならなかった。菊名からは近く自宅からは遠い多摩地区。日が暮れ始めたが、今日中に行ってしまおう。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
菊名 → 八王子 JR横浜線 各駅停車 八王子 17:41 18:31
京王八王子 → 北野 京王線 特急 新宿 18:42 18:44
北野 → 長沼 京王線 快速 つつじヶ丘 18:47 18:48


 新横浜を出れば横浜線の車窓はにわかに田舎びてきて、鶴見川の土手をサイクリングの集団を追い越しながらのんびり走っていく。もっとも、車内は実に混んでいて、どの駅でも乗降が激しい。東急の長津田車庫を見下ろす向こう、丘を新興住宅がびっちり埋めている。町田で乗車以来最大規模の客の入れ替わりがあり、2つ先の淵野辺でようやく車内に多少の余裕ができる。線路沿いの米軍補給廠はひっそりと静まり夜の気配が漂い始めるが、橋本でまたどっと混む。まだ18時半前である。どこまで行けば空くのだろうと思っていると八王子みなみ野でさらに乗り、満員で終点八王子に到着。いやはや繁盛している路線だ。

 八王子駅のコンコースは、待ち合わせの大学生達で溢れかえっていた。卒業シーズンまっただ中で、警官も大量に出るほど喧騒を極めている。京王の駅はこっちだったはずと、うろ覚えながら人の流れについて、あるいは追い越していくと、「京王八王子SC」と看板を掲げた分かり易いビルに出くわした。駅ビルは大きいが地下のホームは1面2線でこぢんまりとしている。車内には「防犯カメラ動作中」のステッカーが貼られており、安全なのだろうがかえって物騒な印象を与える。見回してみたが、設置個所はよく分からない。

 地下から高架線に駆け上り、次の北野で乗り換え。やって来たのはつつじヶ丘行、しかも快速という見慣れない電車だった、次発も高幡不動行だし、京王のダイヤはどうなってしまったのだろうと思う。高架線から下りないまま、長沼に到着。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま → まくはりほんごう → うめやしき → きくな →
67駅目
長沼   がぬ  (京王電鉄京王線 / 東京都八王子市)
長沼駅舎 長沼駅名標 長沼


 都内屈指の通勤路線である京王線のはずなのに、コンコースには人っ子一人見当たらない。自動改札機もわずか3台。周囲には床屋や寿司屋など商店もあるが、ひっそり静まり返った住宅街である。下り電車が着くとまとまった数の降車客があるが、あっという間に暗闇に消えていく。

 小学校を挟んだ裏側に北野街道が通じており、明るく輝く看板が目に入ったがセレモニーホールのものである。その向こうにやっとミニストップが見えて、どうにか町の気配を漂わせている。桜はまだ三分咲き。菊名に比べるとだいぶ寒いようだ。


68駅目の選択
駅名 会社 路線

馬込沢 東武 野田線

馬堀海岸 京急 本線

町田 小田急 小田原線


 4駅まえでは三択だった「ま」、幕張本郷が消えたがルール追加で「ん」終わりの馬堀海岸が加わったのでもう一度三択である。日は暮れたし距離もあるが、ここが出ればもう今日ゴールしてしまおう。馬込沢なら次回送りだが、「わ」終わりで今後に希望が持てる。中途半端な町田が一番困る所だ。


サイコロ6 → 6 町田


 あちゃあ、町田だ。今日は疲れたからもう帰りたいのだけど、近距離だし、千葉からじゃ遠いし…。行くしかないよね、これ。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
長沼 → 北野 京王線 快速 高尾山口 19:25 19:27
北野 → 京王八王子 京王線 特急 京王八王子 19:30 19:32
八王子 → 町田 JR横浜線 各駅停車 東神奈川 19:44 20:09


 19時台の下りとはいえ、終点に近いこの辺りではさすがに電車は空いていた。もっとも、定刻より2分遅れており、その辺がラッシュの痕跡と言った所だろうか。先ほど辿った京王八王子からJR駅への道には、早くも出来上がった学生達が溢れている。周囲は飲食店ばかりで、町全体が宴会場と化したかのような盛況である。保健所のみが場違いとばかりに明りを落として暗く沈んでいる。

 横浜線も大いに混んでいたが、橋本でどっと空いた。都県境を跨いでいるが、交流はかなり太いようだ。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま → まくはりほんごう → うめやしき → きくな → ながぬま →
68駅目
町田     (小田急電鉄小田原線 / 東京都町田市)
町田駅舎 町田駅名標 町田


 人がやたら多い。怒涛の如く多い。小田急沿線最大の繁華街であり、幼少の頃より何度も足を運んだ街だからよく分かっているが、やはり町田の賑わいは別格である。飲み屋のバリエーションも豊かで、八王子と同様卒業シーズンの白々しくも明るい雰囲気をぷんぷんと匂わせている。

 周辺一通り回ってみる。多摩センターから延びてくるはずのモノレールは、依然着工の気配すらない。だが、駅用地裏手のバラック然としたマーケットは消えてしまったようだ。着実に街は変わりつつあるのだろうか。

 ところでこの駅、駅舎の写真がどうにも撮り辛い。小田急百貨店や地下街の脇っぱらに改札へ至る階段がいくつも取り付けられてはいるのだが、大駅らしい風格がまるで感じられないのである。一番人通りが多いであろうJRからの乗り換え通路にしても、どこからが小田急の敷地なのか把握している(気にかけている)利用者などいないだろう。人波の多さに、駅そのものの存在が沈んでしまったかのようである。


67駅目の選択
駅名 会社 路線
高井戸 京王 井の頭線
高坂 東武 東上本線
鷹の台 西武 国分寺線
高柳 東武 野田線
武里 東武 伊勢崎線
西武立川 西武 拝島線


 正直今日はもう帰りたい。帰りたいが3も6も多摩地区だ。1も帰り道からちょっとだけ外れた場所。全部南関東で、本来喜ぶべき顔ぶれなのだろうけど、時間が時間なのでいささか悩ましい。


サイコロ2 → 2 高坂


 一番遠い2が出た。むしろさっぱりした。帰ろう、帰ろう。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
町田 → 新宿 小田急小田原線 急行 新宿 20:37 21:11
新宿 → 船橋 JR総武線 各駅停車 千葉 21:27 22:19


 下りホームに、LSE車7000系が止まっている。後継車が廃車になったにもかかわらず生き残っている古豪ロマンスカーが、時代がかったブレーキ排気音を百貨店ビルに覆われた駅構内にこだまさせている。

 上り急行はこの時間でも混んでいる。小田急ではそれが当たり前。抑えの利いた車内放送、「原始的かしら」というよく分からないキャッチコピーのみのり会の広告、沿線で育った身には色々なものが懐かしい。地下化工事たけなわの下北沢ホームは、仮囲いと注意書きだらけになっている。

 新宿に着く頃にはさすがにグッタリくたびれた。日暮里まで回る気が起きず、総武線の空席に身を沈める。つい先ほど乗った横浜線は人身事故で不通のようで、やれやれである。

 追加ルール適用後、2度続けてゴールの可能性があった。次回辺り、結末となるのだろうか。


(つづく)

2014.12.21
Copyright(C)tko.m 2014

ルール説明へ  第14回へ  第16回へ  お散歩ジャーナルへ  MENUへ
inserted by FC2 system