神奈川外周気まぐれ!?列車(&バス)


▼第3回 中央林間駅(大和市) → 市役所入口(厚木市) 2006年11月18日(土)

 いよいよ今日は山間区間に差し掛かる。前回もそのまた前回も途中で乗り遅れが生じたが、今回はスケジュールを狂わすわけにはそうそう行かない。どうなることやら、である。

 まずは前回の続き、町田の大迂回である。橋本まではひたすら北上だ。

中央林間−相模大野
(1)〈通算25〉 中央林間 9:58 → 相模大野 10:03
  小田急電鉄 江ノ島線 各停 [片瀬江ノ島→相模大野]
 東急田園都市線の開通で一大ターミナルとなった中央林間だが、北側の地上駅舎は相変わらずひっそりとしている。歴史的にはこちらが表口のはずだが、とうとう無人化されてしまった。

 やってきた電車は8000形リニューアル車。異常な速度で車両更新が進む小田急の中で、かろうじて生き残りが許された鋼製車である。運転台を覗くと、3000形と同様のワンマスコンに更新されていた。

 東京圏といっても、この辺りはそれほど建て込んではいない。雑木林をかすめるながら走ることしばし、大和市から相模原市へ入り、前方に相模大野のマンション群が見えてきた。

相模大野−古淵
(2) 相模大野駅 10:25 → 古淵駅入口 10:44
  神奈川中央交通 相02系統 [相模大野駅→相模原駅南口(国道16号経由)]
 案内所に立ち寄り、神奈中バスの1日乗車券を購入。小田急バスの倍額の1,000円と高いが、この先神奈中三昧であるから軽くモトが取れる。

 相02系統は相模大野から延々と国道16号線を北上するバスで、20分間隔となかなかの高頻度である。早速乗り込むと、運転席脇に売店コーナーがある。車内販売は子会社の神奈交バスの専売特許だったはずだが、この車両は神奈中所属である。本家もそういう事をするようになったらしい。

 小型車ながら満員のバスは駅を出ると、グリーンホールのバスターミナルを周回する。設備は立派だが全くの無人で、事実上バスの車庫として使われている風もある。程なく16号線に合流し、あとは当然のように発生している渋滞にもまれてノロノロ。古淵に着いた時には7分遅れていた。

古淵−相模原
(3) 古淵 10:51 → 相模原10:58
  JR東日本 横浜線 各停 [東神奈川→八王子]
 古淵から淵野辺までは、JR横浜線のさらに外周側を通る淵22系統というバスがある。しかし9時15分発はとっくに出てしまい、次は12時丁度までない。前回大貫橋で乗り遅れなければ夕方の便に乗ったのだが、今日は割愛して電車に乗る。

 国道16号の渋滞は予測できた事で、古淵10時45分発の横浜線には間に合わないような気がしていた。幸い(そしてこの区間では珍しい事に)、わずか6分後に続行便があるので問題はない。そうタカをくくっていたのだが、古淵駅入口バス停から駅までは意外に遠く、危うく続行便にさえ乗りそこなうところだった。

 次の淵野辺からは、横浜線が外周ルートとなる。外側を行くバスが無くなるのは当然で、やがて右窓いっぱいに米軍相模原補給廠の敷地が広がる。矢部駅には米軍再編に絡んで「もう我慢の限界。」と切迫した看板が建てられていた。ちなみにその補給廠、建物は古く屋根はツギハギだらけで、あちらさんはあちらさんで苦労しているらしかった。

相模原−旭農協前
(4) 相模原駅北口 11:00 → 旭農協前 11:14
  神奈川中央交通 橋52系統 [相模原駅北口→橋本駅北口]
 接続時間、わずか2分。ここで乗り遅れると次のバスは45分後であり、洒落にならない。駅前広場をダッシュしてようやく乗り込んだ。先客は1人しかいなかった。

 発車するとすぐに線路から離れるが、右手には米軍敷地が延々と続く。電車から見た補給廠は、矢部〜相模原のせいぜい一駅強の車窓を占領するに過ぎないが、実際にはとんでもない敷地面積だったのだ。腹が立ってきた。

 宮下付近からは一転して住宅街となる。農村がそのまま宅地に化けたかのようなエリアで、畑も残っているし、地主らしい大きな屋敷もちらほらと混じっている。ぽつりぽつりと乗客があり、正面に橋本の駅ビルがどどーんと見えた所で下車。

旭農協前−小網
(5) 旭農協前 11:20 → 小網 12:03
  神奈川中央交通 橋01系統 [橋本駅北口→三ヶ木]
 旭農協前は橋本駅の次のバス停で、神奈中のポールには細かい字でびっしりと行先が並んでいる。橋01系統は津久井地区の交通の要衝・三ヶ木(みかげ)に向かう幹線系統で、神奈中と子会社の津久井神奈交バスがほぼ12分ヘッドの高頻度運転をしている。今度のバスは11時25分発のはずだが、5分も早くやって来た。13分発が遅れたものらしい。車内は立客の出る盛況であった。

 バスは横浜線の踏切を渡ると、商業地・住宅街・工業団地と目まぐるしく車窓を変える。片側1車線の狭い道で、いささか渋滞気味だ。「次は、相原中央」と町田市内の駅と同じ地名が出てきてギクッとするが、地図を見れば確かに相模原市内である。

 10分ほど走るとJA津久井郡と山梨信用金庫が立て続けに現れる。どうやら津久井郡城山町に入ったようである。役場近くのバス停には、「みんなで合併を実現する会」の看板が建っていた。住民投票や出直し町長選の末、城山町は来春相模原市に併合される。

 上溝方面からのバイパス道路との合流に随分時間がかかり、合流後はますます渋滞が酷くなった。後ろの席のオバサン達から、あきらめの声があがる。休日はこんなものらしい。ため息混じりに沿道に目を向ければ、随分ローカルになってきた。

 やがてバスは、城山ダムの堰堤に差し掛かる、下流側を覗き込めばそれはそれは深い谷で、紅葉も美しい。そこまではいいのだが、ダムの対岸にもびっしりと車の列が続いている。

 じりじりと、それでもバスは前に動く。小網に降りた時には定刻より26分遅れていた。もともとここで30分以上待つプランだったから、影響を受けなかったのは幸いであった。

小網−桜木
(6) 小網 12:18 → 桜木 12:33
  津久井神奈交バス 三11系統 [三井→三ヶ木]
 はやくも城山町を通り過ぎており、小網は相模原市内である。津久井町と相模湖町は既に相模原と合併した。神奈川県内唯一の「平成の大合併」だが、城山が後を追う来年までは飛地である。

 橋01系統から降りたのは、この先津久井市街で国道を外れ南側の旧道を経由するからで、これから乗る三11系統が湖に面した集落をカバーしている。1〜2時間に1本程度の運転。始発の三井地区は国道から外れているので、さほど遅れては来なかった。ただし無人である。

 わざわざ混雑する国道経由のバスに乗り換えるとは、と我ながら呆れていると、旧道を分ける交差点でようやく渋滞は解消した。ここが相模中野で、橋本から京王相模原線の延伸が予定されていた町である。実現していればこの界隈の交通事情は劇的に違っていたはずなのだが、既に計画は放棄されている。

 中野は津久井郡の行政の中心地であるらしく、旧役場や県の機関が並んでいる。駐車場には露店が出ており、買い物袋を提げたおばあさんと孫が乗ってきた。ほどなく国道からさらに湖寄りに折れ、バスは路地をくねくねと進むようになる。尾崎記念館前を通過。10月の衆院補選で小沢一郎が第一声を挙げた場所だが、こんな小さな広場だったのかと驚く。今はごく静かで、入口の階段に中学生がたむろしている。

 神奈中はどんな田舎にでも立派なバス停を建ててしまうのだが、この道路の停留所は小さな鉄板の簡素なつくりになっている。何人かの乗客があって、車内は賑やかになってきた。

 三ヶ木の一つ手前、桜木で下車。時間があるので三ヶ木まで歩いてみたが、橋本・相模湖・厚木の3方面からの道が交差するだけの寂しい所であった。

桜木−相模湖
(7) 桜木 13:25 → 相模湖駅 13:46
  津久井神奈交バス 湖25系統 [三ヶ木→相模湖駅(桂橋経由)]
 三ヶ木から相模湖駅へは、ピクニックランドを通る湖22系統がメインルートだが、外周ルートは東側の桂橋経由となる。だいたい1〜2時間毎の運転で、僕が乗った便には三ヶ木からの先客が2名いた。5分前に湖22系統が通過したばかりだから、こんなものであろう。

 バスは国道から外れ、桂橋で相模川を渡る。この辺りも見事な紅葉だ。集落内の狭い路地を辿っていると、いかにも「山の子」という感じの純朴な子供が乗ってくる。が、よくよく見ればハイキング帰りの親子であった。国道20号に合流した後も幾人かハイキング客が乗ってくる。「運賃後払いですよ」と注意を受ける客が多い。皆、都民なのだろう。

 古びた商店街が現れると相模湖駅である。湖際の際どい箇所を走るピクニックランド経由より、こちらの方が便利なような気はした。

相模湖−藤野
(8) 相模湖 13:54 → 藤野 13:58
  JR東日本 中央本線 中央特快 [東京→大月]
 相模湖の駅前広場には、なぜかチャゲアスの「on yourmark」がオルゴール曲になって流れている。いかなる縁なのかと首をひねっていると、やがて「紅の豚」のテーマに変わった。ジブリのCDをかけているだけらしいが、いずれにせよ理由は良く分からない。

 大雑把に言えば東海道線と東名高速の勢力圏である神奈川県の中で、津久井地区だけは中央本線のエリアに属する。しかも高尾以遠の山線区間だから、神奈川でもなく無論東京でもなく、山梨県の雰囲気がどことなく漂っている。長野カラーの115系に揺られて…と思いつつ時刻表を見れば、次の大月行は10両編成である。嫌な予感がする。

 案の定、やって来たのは201系であった。通勤需要がある事は理解しているが、やはり違和感は否めない。トンネルを2つ3つとくぐり、どこかに消えていた上り線が接近すると、もう藤野である。

藤野−やまなみ温泉
(9) 藤野駅 14:35 → やまなみ温泉 14:50
  津久井神奈交バス 野11系統 [藤野駅→やまなみ温泉]
 藤野で降りたのは初めてである。山と相模湖に挟まれた町は、驚くほどに狭い。役場には「新相模原市誕生」と横断幕がかかっている。来春に城山とともに合併し、津久井郡は消滅する。家並みの向こう、オレンジの帯を巻いたステンレス車が走っていくのがちらりと見えた。一瞬、「なんで藤野にJR東海車が」と考えてしまった。E233系に紛れもない。

 やまなみ温泉行のバスは後部ドアの無い小型車で、途中からはバス停以外でも停車する自由乗降バスとなる。いよいよ田舎となってきた。バスは相模湖を渡ると、ゆっくりと山登りにかかる。気がつけば右手、谷が随分深い。見とれていると「あ、すみません」と運転手が叫んでバスは止まりドアが開いた。どうも行き過ぎてしまったらしい。

 やまなみ温泉の集落で登山帰りの客を降ろすと、車内は空っぽになった。坂を下るとだだっ広いバスターミナルがあって終着。

やまなみ温泉−東野
(10) やまなみ温泉 14:51 → 東野 15:09
  藤野町営 [やまなみ温泉→東野]
 ここで町営バスに乗り継ぐことになる。神奈中から津久井神奈交に移管されたローカル線の、そのまた末端部分が民営では支えきれなくなってしまったのだろう。神奈交が少し遅れたので既に発車時刻となっており、マイクロバスの運転手が「青根行くの?」と声をかける。平日は5本、土休日は3本の運転でこの便が 終バスである。運賃は200円。誰もいない客室に腰かけると、「時間表いりますか?」と聞かれる。その手のマニアと見抜かれたらしい。

 発車するとすぐに峠越えにかかる。神奈中グループに見捨てられたのも道理で、山また山の厳しい道である。そんな所にも人は住んでいて、「○○邸→」と書かれた木板の向こうに、登山道が続いている。

 短いトンネルを2つ越えると、採石場の脇をすり抜けながらの下り坂となる。やがて集落が現れると、バスは止まって通りすがりの釣り人達に声をかけた。折り返し便を待つ乗客だったのである。

 便宜乗車の2名を加えてさらに下ると、奥相模湖という小さなダム湖が現れた。下流の谷底には割りと大きな温泉施設が見える。ここでオバサン2人が乗車。この人達も藤野方面に戻るお客である。皆運転手と顔見知りらしく、イノシシが出たなどと世間話に花が咲く。「お客さんいないねえ」「乗らなくても走るしかないよ」運転手はどこか悟っている。それでも時には混むようで、釣客が22名も乗った事もあるとか。積み残してもう1往復するのは御免なので、今日は"大きいバス"で来たとの由。

 やがて前方に国道バイパスが現れ、青根集落の中心・東野に到着。席を立つと常連客達は、「降りる客がいるのか」と言いたげな不思議な顔つきでこちらを振り返った。

 バスは回転場にしばらく停車したあと、今来た道を引き返す。携帯カメラを構えた僕の脇で1度止まると運転手が顔を出し、「乗らないの?」と念押しをした。

東野−青山
(11) 東野 16:25 → 青山 16:52
  津久井神奈交バス 三56系統 [月夜野→三ヶ木]
 青根は旧津久井町のエリアだから、現在は相模原市に属している。山間の小さな集落だが、農協や雑貨店、小中学校と必要なものは揃っている。その代わりコンビニやCDレンタル店のような、まぶしい明かりを放つ施設は皆無だ。

 接続が1時間以上もあるから、闇雲に辺りを歩き回る。諏訪神社境内の杉の巨木にも目を見張ったが、なんと言っても特筆すべきは青根小学校で、木造校舎なのである。土曜だというのに子供達が大勢集まっていてほほえましいが、「録画中です」という看板が寂しい。

 それにしても、ここが神奈川県内、しかも政令市昇格を目指す相模原市内だとは思えなくなってきた。市内で山村留学のできる街。相模原の懐は、随分深くなったものである。

 山梨県境に沿って旅を続けるならば、次は南隣の足柄上郡山北町を目指すことになる。しかし、両市町を結ぶ林道に路線バスは無い。富士急湘南バスの西丹沢自然教室バス停までは直線距離でも10km近くあり、徒歩連絡の範疇を超えている。それどころか青根に来てみれば、林道は一般車通行止めとの表示が出ていた。

 従って一旦三ヶ木方面へ戻り、丹沢山地の南側をぐるりと迂回することになる。乗車するのは山梨県境の月夜野と三ヶ木を結ぶ津久井神奈交バスの三56系統だが、土休日の運転本数はわずか2本と藤野町営バスをも下回る。ここ2回分ほどの行程は、全てこのバスを基軸に組まれていたと言っても過言ではない。

 5分ほど遅れてやってきたバスは、無人だった。ハイカー3人と一緒に乗り込む。山また山の中をバスは上り下りする。深い谷を挟んで、対面に先ほど通った採石場の明かりが見える。早くも日が暮れてきた。

 10分ほど走るとようやく人里の気配がして、青野原の集落に入る。まずハイカー、そしてやっと地元客が乗る。藤野駅を出 て以来久し振りに信号機が現れた。

 エンジンブレーキを響かせ、時に後続車に道を譲りながらバスは下っていく。徐々に日常的な街並みになって来て、国道412号線にぶつかると青山である。

青山−半原
(12) 青山 17:08 → 半原 17:28
  津久井神奈交バス 三51系統 [三ヶ木→半原]
 青山は三ヶ木の3つ手前のバス停である。既に日は暮れており今回の旅は打ち切るべきなのだが、こんな山の中で中断すると、横浜に帰るのももう1度来るのも難儀である。一番楽なのは厚木に出て実家に帰ることで、外周ルートとも一致するからもう少し旅を続ける。

 それにしても、目の前の国道412号線の混雑はなかなかのもので、渋滞とは言わないまでも信号が赤になるたびに車の列がずらりと伸びる。県央・県西から中央自動車道に出ようとすればこの道が最短経路なので、どうしてもこうなってしまう。橋本−三ヶ木間といい、津久井地区の交通事情はいささか悲惨だ。

 それでもバスは定刻通りにやって来た。道中の風景が淡々としてつまらない事は分かっているし、ましてや夜なので見るべきものは無い。途中で子供を3、4人ほど乗せている間に道路混雑は不思議と解消したが、結局半原には5分ほど遅れて到着した。

半原−市立病院前
(13) 半原 17:57 → 市立病院前 18:41
  神奈川中央交通 厚02系統 [半原→厚木バスセンター (田代経由)]
 愛甲郡愛川町の北端に位置する半原は、静まり返っていた。青山で待っている間も寒かったが、中津川に面した半原はいっそう寒い。たまらずコーヒーで暖を取る。

 半原、と聞くと随分奥にある気がするのだが、厚木までのバス便は意外に多い。平日は20分毎、土休日でも30分毎に運転されている。国道を経由する厚01系統と半原の集落内を辿る厚02系統の交互運転で、厳密には厚01系統が外周ルートに相当する。三51系統が2分早着してくれれば実に都合が良かったのだが、やはり間に合わなかった。1時間待つ気はとても無いので、30分後の厚02系統で妥協する事とする。

 しかし長距離路線の悲しさか、定刻の17時50分を過ぎてもバスはやって来なかった。震えながら待っていると、5分ほど過ぎてから猛然とバスターミナルに入ってきた。何人かのお客さんを急いで降ろすと、運転手は「ちょっと待って」と声をかけて手洗いに飛び込んだ。片道1時間近い路線だから、笑う事はできない。事実、後で笑えなくなった。

 程なく発車、旧道沿いのバス停で、待ちかねた乗客達を1人また1人と拾っていく。田代を出ると国道に合流し、あとはこの道を延々と厚木へ向かう。やがて 片側2車線へと道幅が広がり、都市郊外らしい景観になっていく。

 この辺りのバスは、主に厚木バスセンターを起点として放射状に路線網を築いている。外周ルートを辿るならこのバスを稲荷木で降り、宮の里東−光福寺−尾崎と細かく乗り継いで、上谷戸から伊勢原駅北口へ向かう伊34系統を捕まえることになる。しかし稲荷木−宮の里東と尾崎−上谷戸間は極端に本数が少ない。特に後者は清川村営で、土休日運休となっている。このバスに乗らないと県内唯一の村である清川を経由できないのだが、諦める他なかった。つい最近まで、この区間にも神奈中バスが走っていたのだが…。

 その稲荷木を過ぎるとバスは旧道に入り、ほどなく荻野新宿バス停を通過する。松蓮寺から荻野新宿を経由して愛甲石田駅に至る愛24系統という路線があり、厚木市街など眼中に無いとばかりに郊外を半周するその経路はまさに外周の旅にふさわしいのだが、あいにく1日4本しかない。最終バスはわずか10分ちょっとの差で荻野新宿を出た後である。半原で1本前の厚01系統に乗れていれば万々歳だったのだが、どうしようもない。

 半原出発時点ではガラガラだったバスには次から次へと乗客が詰めかけ、いつしか満員となった。国道129号線をやっとこさ越えるといよいよ厚木市街だが、半原で飲んだコーヒーがどうにも効いたらしく、市立病院前で降車ボタンを押した。 

市立病院前−市役所入口
(14)〈通算38〉 市立病院前 18:45 → 市役所入口 18:48
  神奈川中央交通 厚05系統 [まつかげ台→厚木バスセンター]
 厚木市街、特に松蓮寺とバスセンターの間は呆れるほどバスが多い。コンビニを出て肉まんを頬張っている間に1本通過し、食べ終わるや否や次のバスがやって来た。しかも2台続行である。

 税務署入口バス停を過ぎると、バスは旧246号と交差する。左へ45度ほどカーブを切ると、本厚木駅へ至る目抜き通りである。馴染みのブックオフの明かりがまばゆい。

 18時48分、市役所入口バス停に停車。長い長い1日が終わった。

 市役所入口バス停は、本厚木駅の一つ手前の停留所である。乗りやすい路線を選んだ上でのルート取りであり止むを得ないが、「外周の旅」と銘打ちながら県央の中心都市のど真ん中まで来てしまったのはちょっとどうなんだと思わないでもない。

 なお、本厚木駅で下車する際に運転手にあからさまにキセル扱いされ、旅の印象が台無しになった事を蛇足ながら付け加えておく。


(つづく)

2006.12.29
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