関東私鉄しりとり&サイコロの旅  第19回 


 2013年8月23日(金)、足かけ1年3ヶ月続いたこの企画もとうとう今日で終了である。京成で関屋に出て牛田からスタート、というこのパターンも一体何度繰り返した事かと思うほどだが今回でおしまいである。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
牛田 → 北千住 東武スカイツリーライン 普通 北千住 13:57 14:00
北千住 → 和戸 東武スカイツリーライン 他 急行 久喜 14:06 14:45


 北千住駅に降り立つと、目の前に特急「きりふり」のお手製PR看板が設置されていた。愛称に反して日光に行かず春日部止まりなのは仕方がないとして、「いつ乗る?今でしょ!」のキャッチフレーズは少々やり過ぎだ。いつまで新鮮さを保てるものやら。

 やって来た急行は青帯の東急8500系で、シートの固さは今時の走ルンですともまた違った、独特のものである。相変わらずモーターは爆音だが、音の割にスピードに乗れず、荒川橋梁上を並走する「ひたち」を追い抜くことが出来ない。今日は日比谷線直通が若干遅れているらしく、草加で並ぶはずが西新井で追いつきかけてしまった。草加では接続を取らず、全速力で突っ走る。すれ違う電車はメトロやら東急やら百花繚乱何でもありだが、もはやそれが当たり前の時代である。車内には横浜市長選挙のポスターが揺れているが、さすがにここではニーズはなさそうだ。

 目指すゴールは中々に遠い。沿線の住宅街は畑に転じ始めた。田んぼが薄く色づいている。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい → いけじりおおはし → しもやまぐち → ちとせからすやま → ますお → おおもりまち → ちちぶ → ふくい → いずみたまがわ → わいあーるぴーのび → ひがしこいずみ → みなみさくらい → いたくらとうようだいまえ → えそじま → まくはり → りゅうまい → いおぎ → きたみ → みなとちょう → うのき → きざき → きよせ → せんげんだい → いけがみ → みたかだい → いしかわだい → いなぎ → きたかぬま → まちや → やぎさわ → わだまち → ちどりちょう → うんが → かすかべ → へいわじま → まつばらだんち → ちばちゅうおう → うめじま → まくはりほんごう → うめやしき → きくな → ながぬま → まちだ → たかさか → かすみがせき → きたおおみや → やぎゅう → うらが → かっせんば → はいじま → まごめざわ →
77駅目<ゴール>
和戸   わど  (東武鉄道伊勢崎線 / TI01 /  埼玉県南埼玉郡宮代町)
和戸駅舎 和戸駅名標 和戸


 という訳で、関東私鉄全675駅のうち50音順で最後となるゴール駅は、ここ東武鉄道の和戸駅である。とうとう辿り着いた。

 伊勢崎線で東武動物公園の次の駅、A準急が走っていた頃は30分に1本しか電車が止まらなかったローカル駅だが、時を経て10両編成の半蔵門線直通急行が続々やって来る特進を果たした。もっとも、駅の雰囲気はダイヤ上の優遇っぷりに追いついていない感じで、バリアフリー化のされていない地下道をくぐると、時が止まったかのような地上駅舎が出迎えてくれた。

 駅前には商店は無く、代わりにアパートが建っている。その名も「グランベルク和戸駅改札前」。駅前ならまだしも、改札前とは物凄いネーミングだ。「せがき寺」なる観光名所の案内看板があるが、バスは1日5便で便利とは言えない。

 駅前から集落を一回りしてみる。最新型ではなさそうな炊飯器の並ぶ電器店、聞いた事のない演歌のポスターが貼られた洋品店、村役場跡地を転用した公民館。全般に古びており、東京の空気はあまり感じない。県道へ出ると、車は多かったが店の数は一向に増えなかった。

 珍しく涼しい晩夏の午後。ごく静かな町で、旅は終焉を迎えた。


(つづく?)

2015.6.14
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