関東私鉄しりとり&サイコロの旅  第6回 


 2012年7月24日(火)、自宅を出た時刻は前回を別格とすれば一番遅い。前夜にしこたま飲んだ紹興酒が効いている。だんだんやる気がなくなってきたのだろうか(汗)。もとい、二日酔いでも出かけるこの馬鹿さ加減をどうか笑って頂きたい。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
牛田 → 南栗橋 東武スカイツリーライン 他 区間急行 新栃木 8:38 9:28


 ラッシュピークを過ぎた下り電車には、大学生の姿がやたらと目立つ。北春日部からの帰路のような騒がしさは無く、皆眠りこけるか教科書を広げるかのいずれかだ。学校はバラバラのようで、郊外へ向かうにつれ三々五々と降りていく。

 せんげん台で追い抜いた準急は東急の車両で、6ドア車が3両も組み込まれている。田園都市線内では想像を絶する混雑を呈していたのだろうが、さすがにここまで来れば空気輸送だ。北春日部の手前で大きく減速。前方を見れば場内信号は警戒現示で、すぐ前にまたしても東急の車両が見える。通勤ラッシュの余韻といったところか。巻き添えでこちらも3分ほど遅延した。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ →
22駅目
南栗橋    なみくりは   (東武鉄道日光線 / TN03 / 埼玉県久喜市)
南栗橋駅舎 南栗橋駅名標 南栗橋


 北春日部に続いて車庫所在駅。特に近年は、田園都市線・半蔵門線・スカイツリーライン直通電車の終着駅として3社利用者にはすっかりお馴染みとなった。駅長室は人通りに面した改札脇ではなくホーム端に設置されていて、駅員もホームに出ず室内から放送している。乗客よりも車両のための駅、という感じがする。やや北側で東北新幹線が直交していて、「はやぶさ」やら「こまち」やらが駆け抜けていく。車庫はその向こうなので、ホームからは見えない。

 ホームもコンコースも広いが、人の姿は見当たらない。駅前に出ても、ロータリーには雑草が生い茂り、タクシーがぽつんと来るアテのなさそうな客を待っている。かろうじてバス停1つ…と思ったらボートピアの送迎バスであった。周囲は綺麗に区画整備されていて、真新しい戸建てやマンションが並んでいる。「始発電車多数!ラクラク通勤!」という宣伝文句が目に浮かぶようだ。確かにその通りだが周囲にはコンビニすら見当たらず、寝に帰るだけの町、という感が拭えない。

 5分も歩くと済生会病院の大きな建物に突き当たった。駅周囲で唯一目立つ物件である。中を覗くと、入口にスタッフがずらりと並んで笑顔で挨拶をしている。朝から(朝だからこそ?)お年寄りで千客万来であった。


23駅目の選択
駅名 会社 路線

椎名町
西武
池袋線

志木
東武
東上本線

静和
東武
日光線

篠塚
東武
小泉線

下井草
西武
新宿線

下神明
東急
大井町線


 さて本日の第1投だが、これはもう3しかない。待望の「わ」終わりで栃木県。神奈川県辺りでコレを引くと悲惨だが、現在地は埼玉県。同一路線、乗り換え無し。今行かずにいつ行くと言うのか。いざ、勝負(何と?)。


サイコロ1  → 1 椎名町


 勿論、そんな甘い結果にはならなかった。しかし、初めての西武。これで大手私鉄8社全てが出揃った。上々だ。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
南栗橋 → 栗橋 東武日光線 普通 新栃木 10:20 10:24
栗橋 → 赤羽
JR宇都宮線
普通
上野
10:27
11:13
赤羽 → 池袋
JR埼京線
各駅停車
新宿
11:17
11:24
池袋 → 椎名町
西武池袋線
各停
保谷
11:34
11:37


 目的地は都内だが、一旦北上してJRに乗り換えた方が早い。新栃木行は始発電車で18分発。時刻間際にメトロ8000系の南栗橋止まりがやって来て手早く車庫に引き揚げていくが、まだ発車しない。「遅れている特急が20分頃通過します」と細かい放送があって、予告通り20分ジャストにスペーシアが通過、20分の内に扉が閉まって動き出す。お見事。

 JRに乗り換えると、車内の案内装置には田園都市線で車両点検、根岸線で人身事故、青梅線で車進入と障害情報が続々と流されている。今日は厄日だろうか。宇都宮線は我関せずとばかり、快調に飛ばしている。大宮駅北端に、撮り鉄が集結しているのを横目で睨む。何か珍しい列車でも来るのかと思っていると、さいたま新都心付近で新色のスペーシアとすれ違った。あの位置じゃ後追い写真になってしまうが、良いのだろうか。

 今日は上野行に乗っているので、赤羽で乗り換え。大宮を5分後に出た湘南新宿ラインに乗るつもりだったが、赤羽で向こうのホームにほぼ同着してしまった。停車駅の差は2つしか無いのに、あちらさん随分速い。止む無く埼京線に乗ったが、こちらの方が短絡ルートなので池袋到着時刻はほぼ変わらない。

 さて、本企画では初登場となる西武だが、それこそ池袋線には小さい頃から慣れ親しんでいる。地下通路のタイルの柄、ホームの番線表示の色、驚くほど昔のままである。しかも電車はレモンイエロー3扉の3000系、茶色のフカフカシートがまた懐かしい。わずか一駅、次の椎名町で降りてしまうのが何とも勿体無い。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし →
23駅目
椎名町   いなま   (西武鉄道池袋線 / 東京都豊島区)
椎名町駅舎 椎名町駅名標 椎名町


 昭和の郊外電車の雰囲気を良く残した駅、というイメージがあった椎名町は、橋上駅舎が新築されてすっかり装いを変えていた。ホーム終端付近の屋根だけが、古いスタイルのまま残っている。

 さて、椎名町といえばトキワ荘と帝銀事件だが、新装相成ったコンコースにはちゃんとトキワ荘と手塚治虫関係の展示コーナーが作られている。近年は大泉学園を中心としてお隣練馬区の方がマンガ・アニメの街としてフューチャーされているが、やはりトキワ荘こそ漫画文化の原点の一つだろう。一方の帝銀については、影も形も無い。当たり前だ。

 北口駅前はまだ整備中で雑然としている。駅前広場は無いに等しく、駅舎のすぐ脇から昔ながらの商店街が縦横に広がっている。一方の南口は閑静な住宅街。トキワ荘は少々離れているので訪問は省略。つくづく味気ない旅である。


24駅目の選択
駅名 会社 路線

西武秩父
西武
西武秩父線

千歳烏山
京王
京王線

千歳船橋
小田急
小田原線

千鳥町
東急
池上線

京成千葉
京成
千葉線

千葉中央
京成
千葉線 他


 「ち」は全駅乗降済。そのせいか、珍しく6つ全てが東武以外となった。

 確かに先程、西武を一駅で降りてしまうのは勿体無い、とは書いた。だが何も1を出して、終点まで行く事は無いだろう。出方が極端すぎる。さらに、またしても午前中に登場した京成。今度は千葉2駅揃い踏みである。

 残る3つは23区内。当たり外れが大きい選択である。


サイコロ3  → 3 千歳船橋


 よし、近場だ。今日は好調だぞ。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
椎名町 → 池袋 西武池袋線 各停 池袋 12:03 12:06
池袋 → 新宿
JR山手線
各駅停車
内回り
12:12
12:20
新宿→ 経堂
小田急小田原線
急行
小田原
12:32
12:44
経堂 → 千歳船橋
小田急小田原線
各停
本厚木
12:44
12:46


 池袋まで戻って山手線ホームへ。階段に取り付けられた、有楽町線の乗り換え案内には「護国寺・銀座一丁目方面」との表記が。和光市、新木場はどこに行ったのだろうか。それどころかコレ、新富町延伸(1980年)前から取り替えられていない可能性すらある。

 青梅線のダイヤ乱れはまだ収まっていないらしく、新宿の中央線ホームには青梅特快立川行というなんとも矛盾した行先の電車が停まっている。小田急線と言えばやはり箱根そば。やたらボリュームのある季節商品を食して急行に乗り込む。経堂には1分遅れて着いたが、接続の各停は急行と同時に発車して定時を確保する。複々線の効果が遺憾なく発揮されている。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち →
24駅目
千歳船橋   とせふなば   (小田急電鉄小田原線 / 東京都世田谷区)
千歳船橋駅舎 千歳船橋駅名標 千歳船橋


 複々線区間の駅がどこもそうであるように、コンコースはやたら広く、その広さを生かして小田急マルシェが出店している。各駅の個性が出てくるのは構内を出てからで、千歳船橋に関して言えば、とにかく商店がやたらと多い。昔ながらの八百屋さんから、大手スーパー、時が止まったかのような古い構えの店も、全国どこでも見かけるチェーンも何でもある。大通りにも路地にも人が行き交い、活気に溢れている。

 各停しか停まらない駅でこの状況なのだから、本当に小田急とは恐ろしい会社である。


25駅目の選択
駅名 会社 路線

志木
東武
東上本線

静和
東武
日光線

篠塚
東武
小泉線

下井草
西武
新宿線

下神明
東急
大井町線

下山口
西武
狭山線


 本日2度目の「し」、椎名町が抜けて同じ西武の下山口が入ったが、椎名町まで完全に引き返す形になりちょっと避けたいところ。23区内の4・5ならOK、1も十分アリだ。この期に及んで2が出たら、それはもう笑うしかない。


サイコロ2  → 2 静和


 あっはっはっは(乾いた笑い)。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
千歳船橋 → 経堂 小田急小田原線 各停
新宿
13:12
13:14
経堂 → 新宿
小田急小田原線
急行
新宿
13:16
13:27
新宿 → 栗橋
JR湘南新宿ライン
普通
宇都宮
13:39
14:36
栗橋 → 静和
東武日光線
区間快速
東武日光・会津田島
14:50
15:12


 往路と同様に、経堂で急行に乗り換え。乗っている客もここで乗り換える客も実に多い。遠距離客からはブーイングものの急行の経堂停車だが、しっかり機能しているようだ。新宿からはJRで延々栗橋まで逆戻り。さすがに寝る。

 栗橋での東武線接続は悪く、随分待たされる。この区間は特急を別にすれば1時間に3本の運転だが、時刻表を見ると下りは毎時20分、50分、57分発と随分偏った間隔になっている。このうち50分発が区間快速だから、57分(南栗橋始発の普通)と接続する急行は越谷辺りで区快に抜かれているはず、つまり北千住以南からの有効本数は2本/hしかない。長距離列車の快速に無理に近郊輸送を兼ねさせるからいびつになるわけで、ほぼ同格と思われる伊勢崎線久喜〜館林間は普通列車だけでちゃんと20分間隔になっている。いずれにせよ、4〜5本/hの普通列車に快速(栗橋通過)が1本加わるJR宇都宮線との差は大きい。

 この企画何度目かの日光線利根川橋梁を渡る。小田急の多摩川橋梁や京成の江戸川橋梁といった都市部の橋とは全く趣が異なる、茫漠とした眺めが何とも言えない。用水路ではオッサンが釣り糸をたれ、畑で母子(孫?)がスイカを抱えている。どこかの駅前には毛皮店があったが、宝飾の類ではなさそうだ。渡良瀬川を渡ると次が静和、なのだが最後の一駅だけ妙に長かった。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし →
25駅目
静和      (東武鉄道日光線 / TN09 / 栃木県下都賀郡岩舟町)
静和駅舎 静和駅名標 静和


 手前の駅も次の駅も栃木市内だが、静和は岩舟町に属している。岩舟といえばJR両毛線の駅で、何年か前、映画の舞台になったのを機に周囲を歩いた事を思い出した。

 ホームは熱気と蝉時雨に囲まれていた。地下道をくぐり駅前に出る。瓦屋根の駅舎の正面には、自転車預かり所が2軒、食堂が1軒、それにタクシーの営業所があって中で少年が漫画を読みふけっている。いずれの建物も古びていて、田舎の空気を存分に発している。岩舟駅も良かったけれど、ここの雰囲気もなかなかだ。脇のマンションだけが小奇麗で異彩を放っているが、これは東武の社宅であった。

 駅前広場を出てみても、趣のある街並みが続いている。古民家にカメラを向けていると、向かいのお宅から出てきたオバチャンが「この前もそこ撮っている人がいたねえ」と声を掛けてきた。どうやら静和の雰囲気に魅せられたのは、僕だけでは無いらしい。

 かように素晴らしい町なのだが、残念ながら滞在時間はわずか12分。すぐに上り電車が来てしまう。名残惜しいが、これを逃せば次は30分後だ。無念。


26駅目の選択
駅名 会社 路線

YRP野比
京急
久里浜線

若葉
東武
東上本線

若葉台
京王
相模原線

和光市
東武
東上本線

鷲宮
東武
伊勢崎線

和田町
相鉄
本線


 ようやく、ようやく出た「わ」。6の和田町こそがゴール…ではない。ゴール駅は五十音順で最後の駅、選択肢のリストアップも原則五十音順である。つまり、「わ」始まりの駅をいくつか訪れた後でないと、ゴール駅は選択肢にすら挙がって来ないのである。しりとりの道は、実に険しい。

 ともあれ一駅ずつこなしていくほか無いのだが、ハードな顔ぶれである。近距離は5のみ。6、まして1なんて引き当てた日には目も当てられない。どの目でも栗橋まで戻ってまたJRだが、こればっかりはどうしようもない。


サイコロ3  → 3 若葉台


 いやいや、これもなかなか遠いですよ。て言うか、また新宿ですか。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
静和 → 栗橋 東武日光線 普通 南栗橋 15:24 15:47
栗橋 → 赤羽
JR宇都宮線
普通
上野
16:02
16:47
赤羽 → 新宿
JR埼京線
各駅停車
新木場
16:51
17:04
新宿 → 調布
京王線
準特急
京王八王子
17:10
17:27
調布 → 若葉台
京王相模原線
各停
橋本
17:31
17:43


 本日3度目の栗橋。接続はまたしても悪く、JRを待つ間駅前を歩いてみる。小さなショッピングモールの片隅に、何気なく静御前の墓が鎮座していてビックリした。栗橋が終焉の地であることさえ知らなかった。降りてみるものである。

 しつこい位に利用しているJR宇都宮線だが、初めて211系がやって来た。決して古い車ではないが、もはや東京圏では絶滅危惧種に近い。折角だからモーター音を満喫しようと思ったが、乗った車両から順にクハ・サハ・サハと続き随分歩かされた。最後部は荷物用スペースとなっていて、仕切り幕が掛けられて旅客が入れないようになっている。飯田線でならば見た事があったが、宇都宮線でもまだそんな扱いが残っていたのかと驚く。各駅ホームに駅員が立っていて、日報らしき包みを投げ込んでいく。

 京王新宿駅は雑踏していたが、端の方まで歩いていくと多少の余裕がある。ラッシュはまだ始まっていないようだ。トンネルを抜け笹塚の手前で初めて車内放送が流れるが、何とも特徴的な声の車掌で、周りの乗客も不思議そうに顔を見合わせている。そもそも、男か女かも判別できない。

 調布で下車、向かいの急行橋本行の発車を見送ると、都営新宿線の車両による各停橋本行が空っぽで入ってきた。過密ダイヤの合間を縫って本線上で折り返してきたらしく、なんとも綱渡りだ。つつじヶ丘で追い抜いた各停高尾山口行の到着を待って発車。どちらも空いていて、優等と各停の混雑の差が随分大きい。

 相模原線の京王多摩川以遠は多摩ニュータウン造成時に出来た新線だが、カーブは多く駅間は短く、スピードは一向に上がらない。駅でさえカーブの途上にあって、車掌泣かせの路線である。この時間は地下鉄直通の急行と調布折り返しの各停の2本建てらしいのだが、なぜか調布返しにばかり都営車がやって来る。変な運用である。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ →
26駅目
若葉台   かばだ   (京王電鉄相模原線 / 神奈川県川崎市麻生区)
若葉台駅舎 若葉台駅名標 若葉台


 多摩エリアの都県境は複雑に入り組んでいる。訪問時には若葉台は東京都稲城市だとばかり思っていたのだが、帰宅後に調べると神奈川県川崎市だった。もっとも、若葉台という地名自体は稲城側らしい。

 本日2つ目の車庫所在駅で、乗務員が入れ替わってあわただしく発車していくと、すぐ後ろから急行が接近して来た。京王、どこまで行っても過密ダイヤである。

 若葉台には以前(今調べたら11年も前だった。そんなに昔か…)来た事があるのだが、大きく綺麗に整備された駅前広場とは裏腹に、辺りにはほとんど何も無かった。それが今や、大型マンションやショッピングセンターにぐるりと囲まれている。そして何より、駅前を行き来する人々が若い。子供連ればかりだ。南北の駅前広場に面して、学習塾が6軒、歯医者が3軒、見事にこの街の住民層を体現している。高齢化が懸案の多摩ニュータウンにあって、この活気は異様である。あまりの変貌に、ただただ目を丸くした。


27駅目の選択
駅名 会社 路線

井荻
西武
新宿線

池上
東急
池上線

池尻大橋
東急
田園都市線

石川台
東急
池上線

和泉多摩川
小田急
小田原線

板荷
東武
日光線


 既に陽は傾きつつある。撤収の頃合だが、ここで5つが都内と言う奇跡の顔ぶれ。もう一駅欲張りたい。永山経由ですぐ着く上に、「わ」終わりの5が第一希望。3でも楽に立ち寄れるだろう。1・2・4だと行くかどうか悩みどころ。6はきっぱり論外だ。


サイコロ3  → 3 池尻大橋


 おおお、3が来た。行けるぞ。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
若葉台 → 調布 京王相模原線 各停 調布 18:11 18:22
調布 → 明大前
京王線
準特急
新宿
18:30
18:39
明大前 → 渋谷
京王井の頭線
急行
渋谷
18:41
18:50
渋谷 → 池尻大橋
東急田園都市線
各停
長津田
18:56
18:58


 再び都営車で調布まで戻る。お客を降ろした各停が慌しくホームを後にすると、準特急がゆっくりと入ってきた。最近乗るたびに思うのだが、京王は停車直前に極端に減速して、低速で停止位置まで流していく事が多い。運転士がそう教育されているのか、ATCの機能上の問題なのか。両脇に家々が迫る中を、準特急はスイスイ駆け抜けていく。沿道を、明らかにヤクザっぽく扇子をあおぐオヤジと、自転車を押す警官が一緒に歩いている。何だ、あれ。

 大学生ばかり目に付く井の頭線で渋谷へ。「降車ホーム側へ降りて下さい」と繰り返す車掌を無視して皆乗車ホームに降りていく。マナーを心得ない客が多いな、と呆れながら降車ホームを歩いていると理由が判明した。トイレ工事の影響で幅が異様に狭い箇所があるのだ。これでは流れが滞るばかりだ。

 田園都市線の先発電車は、鷺沼まで逃げ切る各停。当然混んでいたが、一駅で降りるので大した問題ではない。


あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし → しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ → ぞうしき → きたかすかべ → へみ → みなみくりはし → しいなまち → ちとせふなばし → しずわ → わかばだい →
27駅目
池尻大橋   けじりおおは   (東京急行電鉄田園都市線 / DT02 / 東京都世田谷区)
池尻大橋駅舎 池尻大橋駅名標 池尻大橋


 開業から30年ちょっとが経った地下駅。耐震工事をした形跡はあるが、全体に古びた印象は否めない。東京メトロや都営地下鉄の一部の駅のように薄暗く古色蒼然としているわけではないが、実用に徹したつくりできらびやかさは微塵も無い。コンコースの天井も、近年の地下駅に比べれば低いように感じる。

 池尻と大橋の間にあるから池尻大橋なのだが、世田谷区と目黒区の境だとは現地で降りるまで知らなかった。渋谷区と世田谷区、あるいは渋谷区単独の駅だと思っていたのだが。両地区の顔を立てて中間に作ったという立地条件のせいか、コンビニやカフェは散発的に存在するものの、まとまった商店街は形成されていない。地下駅なので駅舎も無く、駅前広場も無い。勤め帰りのサラリーマンが淡々と駅に吸い込まれていく。線路直上の国道246号と首都高速3号線を行き交う車の音がけたたましい。

 地味というかドライというか、そんな色味の無い駅である。もっとも、その透明感こそ東急の特色かもしれない。


28駅目の選択
駅名 会社 路線

志木
東武
東上本線

篠塚
東武
小泉線

下赤塚
東武
東上本線

下井草
西武
新宿線

下神明
東急
大井町線

下山口
西武
狭山線


 なんと本日3度目の「し」。23区またはその近郊の駅が大半だが、どこが出ても今日はここまで。


サイコロ6  → 6 下山口


 物足りない感のあった西武、距離も池袋から近すぎず遠すぎず。満足すべき目である。


利用区間 路線 種別 行先 発時刻 着時刻
池尻大橋 → 押上
東急田園都市線 各停
押上
19:21
19:58
東京メトロ半蔵門線


 東急の車両がやって来て、押上まで直通で運んでくれる。車内にTVアニメ「夏色キセキ」の中吊り広告を発見。この夏は京成が「なのは」、新京成は「おおかみこども」とプッシュする番組が微妙に異なっていて面白い。

 何はともあれ、次回は珍しく西武からのスタート。楽しみだけど、その次また「ち」かあ…。


(つづく)

2012.9.4
Copyright(C)tko.m 2012

ルール説明へ  第5回へ  第7回へ   お散歩ジャーナルへ  MENUへ
inserted by FC2 system