関東私鉄しりとり&サイコロの旅 第5回
震災以来一部区間の不通が続いている三陸鉄道が、月刊IKKI(小学館)に連載中のマンガ「新・鉄子の旅」(ほあしかのこ)とタイアップして新・鉄子の旅三陸鉄道応援きっぷなるものを発売した。2枚の乗車券の有効期間は「全線運転再開の日から1年間」。震災のわずか5日後には一部区間で運転を再開して我々の胸を打った三鉄、これもまた、夢のある名企画である。7月から都内の書店でも発売する(8/31まで)との報を受け、早速秋葉原の書泉ブックタワーまで買いに出かけた。2012年7月3日(火)、雨降る午後の事である。
さて、本日であるが、夕方に神奈川県まで行く用事がある。しりとりの次の目的地は横須賀市の逸見駅。寄り道するには絶好の場所であり時間帯である。勿論、それを見越して自宅を早めに出てきたのだ。きっぷを鞄に大切に仕舞いこんで、JRで品川を目指す。
利用区間
路線
種別
行先
発時刻
着時刻
秋葉原 → 品川 JR京浜東北線 快速
浜松町から各駅停車
磯子 15:15
15:26
品川 → 金沢八景
京急本線
快特
京急久里浜
15:32
16:11
金沢八景 → 逸見
京急本線
普通
浦賀
16:12
16:22
先発の山手線を見送って京浜東北線の快速を待ったが、結局品川まで山手線に追いつかなかった。通過駅は3つしかないのだから、当然と言えば当然の結果である。京急の快特は泉岳寺始発の2100系だったが、地下鉄からの客が意外に多く、危うく座れないところであった。北品川からの登り坂で盛大に空転するが、委細構わずゴリゴリ音を立てながらスピードを上げていく。横浜で大量の乗車、上大岡で大量の下車、いずれも2扉が災いして時間がかかる。良い車ではあるのだが、やはり東京圏では無理な仕様なのだろうか。
雨は徐々に強くなり、車窓は暗さを増す。数年前から快特は金沢八景にも停車するようになったため、新逗子行は文庫、浦賀行は八景と接続駅が分離した。かえって複雑になったような気もする。両駅の間、JRに買収された東急車輛の看板が新社名に架け替えられていて、何とも言えない気分になる。八景で乗り継いだ普通車は、次の追浜で大量にお客さんが入れ替わる。女子高生のスカートがやたらと短い。沿線の起伏は激しく、今日は雨に煙り深山を行くようだ。
あいおい → いけのうえ → えだ → だいじんぐうした → だいやむこう → うえの → のうけんだい → いくた → だいたばし →
しばさき → きたいけぶくろ → ろくごうどて → てんのうちょう → うすい → いずみ → みずほだい → いえなか → かぞ →
ぞうしき → きたかすかべ →21駅目
逸見 へみ (京浜急行電鉄本線 / KK57 / 神奈川県横須賀市)
世代的には「いつみ」と読みたくなってしまう(ミリオーン、スロット!)が、「へみ」である。中央に通過線を有した新幹線タイプの配線で、両端ともポイントを過ぎるとすぐトンネルに突っ込む狭隘な立地である。妙に覚えのある雰囲気だと記憶を辿ると、北陸本線能生駅が思い当たった。もっとも、能生と逸見ではどちらがメジャーか微妙な所だ。
駅はエレベーター設置工事の真っ最中で、現時点ではエスカレーターすらなく、ホーム下の通路は天井が低く薄暗く穴倉のようだ。更に階段を下りて駅の外に出ても、線路とわずかばかりの商店に挟まれた狭い道が伸びるばかりだ。
坂をさらに下ると、商店街に突き当たった。廃れた裏町、という駅前の印象を覆すかのように車も人も多い。アーケードは古び、シャッターを下ろした店舗もあるが、野菜も売るコンビニやお盆用品の販売店、養鶏直売所なる謎のお店など、土着の雰囲気を存分に醸し出している。道行く女性は年齢を問わず上品な雰囲気をまとった方が多い。千葉や埼玉、あるいは横浜とでさえ漂う空気はまるで違う。これが、軍都横須賀の矜持というものだろうか。やがて商店街は国道16号にぶつかって途切れた。その向こうは海のはずだが、再開発型の高層マンションがずどんと鎮座している。
さて、今日はここだけ。サイコロ第1投が示す場所が、次回のスタート地点だ。
22駅目の選択
目
駅名
会社
路線
1
三鷹台
京王
井の頭線
2
港町
京急
大師線
3
南宇都宮
東武
宇都宮線
4
南大塚
西武
新宿線
5
南栗橋
東武
日光線
6
南桜井
東武
野田線
仕切り直しとなるため、正直どこでも良い。とは言え、さすがに3は遠すぎてちょっと…。
→ 5 南栗橋
比較的自宅から行きやすい目が出た。毎度お馴染みのスカイツリーラインでのスタートだが、まあよかろう。
(つづく)
2012.8.19
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